このページでお伝えできること。
- 自筆証書遺言の欠点
- 自筆証書遺言の欠点をカバーする方法
1 自筆証書遺言の欠点
自筆証書遺言のメリットは、公証役場の手数料が不要な為安く、そして証人もいらず自分の自宅で一人ででも作れる手軽な遺言であることです。
紛失や改ざんの恐れがある、と従来から言われていましたが、法務局の保管制度を使えば、たったの3900円で一生保管されるので、紛失等の恐れはなくなりました。保管制度を使えば家庭裁判所の「検認」も不要です。
欠点は・・・
- 無効になる可能性がある。
(公証人を通さずに作成するので、捺印や日付など形式にそっていなかったり、文章や用語が法的に間違っていたり、内容が特定できないような曖昧な書き方になっていた場合は、せっかく作った遺言が無効になります。実際多くの自筆証書遺言が全体、又は一部が無効になっているようです。) - 無効にならなくても、信用性が低いとみなされ、遺族が異議を唱えたり、紛争になる可能性がある。
(公証人との面談や、公証人、証人との署名捺印がないため、遺族から「本人の判断能力が低くなっていた」「誰かに無理やり書かされた」など疑念がもたれ、法的な争いになることもあります) - 独りよがりな内容になっているのを気づかず、その為に後々紛争になる可能性も。
(法務局で保管する場合も、内容までは確認して貰えません。遺留分などに配慮した内容になっていない場合が多いです)。 - (法務局保管制度を利用しない場合)紛失、改ざんの恐れもあるし、面倒な家庭裁判所での検認も必要になる。
- 意外と法務局の保管制度の利用手続きが面倒。
(あまり言われていませんが・・・大きな期待を持たれて始まった保管制度ですが、申請の書類を集める、きちんと正確に書く、という作業が思いのほか大変で、年配の方は挫ける方も多いです。事前予約の上で法務局でも1時間は確認作業で又されます。公正証書遺言作成とそこまで手間は変わらず、専門家に支援してもらって公正証書遺言を作成の方がずっと楽です)
なので、基本的に私達専門家は自筆証書遺言を勧めません。このような欠点があるからです。
ただ、私は自分の家族の実体験から「公正証書を作るのはハードルが高いとそのまま放置しているぐらいなら、きちんと間違いのない自筆証書遺言を作るほうがいい」と考えています。
また、若い方などまだ書き換えたくなる可能性が高いなら、自筆証書もあり、と思っています。実際、私は自分の遺言は自筆証書遺言にしています。
2 自筆証書遺言の欠点をカバーする方法
- 内容は思いを実現する範囲で欲張らない。
(公正証書と異なり手書きです。また気楽に新しい遺言を作れるので、条件や誰が先に亡くなった場合、など分量多く書かない方が良いでしょう。複雑な遺言は公正証書にすることをお勧めします。) - 内容、書き方(法的な文章)を専門家に相談、最低でも確認してもらう。
(わかっているつもりでも、見せて頂く遺言はかなり問題があるケースが多いです。) - 紛失、改ざんが不安なら法務局保管制度を使う。
(少し面倒ですが、公正証書よりずっと安い料金で済みます。) - より確実な信用性の高い遺言にしたい、遺族の誰かが不満を持つ可能性がある、内容が複雑だったり分量が多い場合、などは迷わず公正証書にする。
(残念ながら、このような方には自筆証書遺言は向いていないと思います。どうしても、ならとりあえず、という選択もありますが・・。一度公正証書をご検討下さい。)
手軽なだけリスクが高い自筆証書遺。もし自筆証書にするなら、最低でも専門家に内容を確認してもらうべきです。せっかく作った遺言が無意味になるだけでなく、争いの原因になることもあります。
例えば、福井県内では弁護士会・司法書士会・行政書士会の全てが無料法律相談会を開催しています。遺言を得意とする専門家が対応してくれる場合もあるので、足を運んでみてはどうでしょうか。(裏技として、相性が良いなと思った先生なら名刺を頂くと良いですよ(その先生が応じるなら)。その後必要だったり困った時に、有料になると思いますが、個別に続きの相談にのって下さることもあります)。
福井の女性のための前向きな、ゆいごん相談室。
福井市南部で遺言書作成を専門としている行政書士まきオフィス、小川真紀です。
メディア露出の多い、福井県内で数多く遺言書作成を手掛けている行政書士です。出張相談をメインとし、女性の目線で比較的手ごろな料金で相談、文案、必要書類集め、公正証書遺言の場合は公証役場折衝などまで一括して支援を行っています。
〇自筆証書遺言のご支援一律55,000円(税込)
〇公正証書遺言のご支援一律66,000円(税込)
※実費・証人代別、福井市・鯖江市への出張相談無料
出張相談型の遺言相談室のHPはこちら。
電話での問い合わせは【相談専用】050-5317-1134へ。